ダウン症Rくんから母へのメッセージ⑥~お母さん、【僕問題】を一緒に悩んで!~

 久々、ダウン症Rくんからのメッセージです。

 今回、お母様よりいただいたご質問は、【Rちゃんは私に何を望んでいるのか】。すくすくと成長し、自分の意思がはっきりと出て、ここ最近は、すごい人見知りだというRちゃん。きっと、Rちゃんが一生懸命に訴えかけている想いがあるのだろう…、感じ取ろうとお母様も一生懸命です。さて、さて、そんなお母様に、Rちゃんの答えは?? 

  

  

僕が、お母さんに望んでいることは何か…?

それ、聞いちゃうの? 


それを質問したら、僕からどんな答えが返ってくるか、何となくわかっているんじゃないかな?


なんて、お母さんの確信犯めいた思いを感じてしまうのは、意地悪かな。 


僕が望んでいることを聞いて、それを叶えてあげたいと思う…それ、僕はちょっとつまんないな。


お母さんが、こうかしら?ああかしら?って考えてくれることが嬉しいし、それが僕の役目だし。


それじゃあ、お母さんがしてくれたことではないような気がしてしまうから。 


でも、僕が望むことが何かを聞いて、それをしようとお母さんが思ってくれたとしたら、それは、たぶん、お母さんがすでに僕にしてあげたいなぁと思っていたことだよ。

僕に…いや、自分にしてあげたいことかな?


僕がお母さんに望んでいることは、お母さんに、“自分が思っていることに自信をもっている。そのことに気付いてほしい”。  ってことかな。


きっと、そう、ずっと言われ続けてるから、『そうしたいのは山々なんだけど、それが出来ないから困っているの…』


そう言っちゃう? 


その言葉と、僕がお母さんに望んでいることは何か教えてほしい。という質問は僕にとっては同じものだよ。 


お母さんは、自分で考えることに自信がない。

出来るし、わかっているけど、しようとしない。 

する気がないくせに、自分の意志を頑固に持って考えている。


何のために、そんなにことをこねくり回して考え続けているの?


それを、理路整然と考えて欲しい!


それが僕のお母さんに望んでいることって言ったら、困る?


お母さんは、自分で自分がわけがわからない?


それは、そのまま変わらない自分でも、それなりに楽しみを見つけて生きていけると思うから続けているんだよね。


それって、僕とは違う病気なのかもしれないよね。

みんな、しようとしないことを、一生懸命に時間を費やして考え続けている。  


でも、それが変わらないってことは、僕の役割である、僕の輝く世界を、まだ伝えきれていないということなんだ。


それは、僕が自分の人生をもっともっと楽しまなくちゃいけないってことなんだ。


僕と一緒にいるだけで、お母さんが何も答えを出さなくても幸せだって思えなくてはならないんだよね。 


だから、僕は、僕の人生に夢中でお母さんの望みを叶えることなんて考えてられないんだ。


そうだよ、僕がお母さんに望むことを知りたいのは、僕のためじゃなくて、お母さんの望みを叶えることだよ!僕の生きている世界では、そうなんだ。


だって、お母さんが僕に望むことは何?って、僕は聞けない。僕が出来ることから、僕は探すしかないって知っているから。



僕は僕が生きていく意味を見失いたくはないから、強くなりたいんだ。


みんなと違うって示したいんだ。間違っている? 


僕が人生を楽しむことに協力してくれ、提供してるのが、確かにお母さんだよ。


僕には、お母さんのような謙虚さ(自信のなさ?)や感謝の気持ちがないのかもしれない。でも、それが、本当に解らないんだ。


そうか、僕が、お母さんに望むのは、僕に、感謝と謙虚さを教えてってこと。


人見知りせずに僕に関わってくれる人たちに、感謝の気持ちで接するような僕にしてくれること。 

僕がどう周りに投げかけるかではなくて、周りが僕に望むものは何かを考えるべきなの?


僕がお母さんに要求しようとしていることの難しさを、それをしなければならないならば理解できそうだよ。 


僕に、感謝と、自信のなさ、謙虚さが、理解できるかな?表現できるかな? 


お母さんが自分に自信があることに気付いて、自分の求める人生を生きることが出来そうにないと同じように、僕はそれには本当に自信がないよ。


おかあさんに望むこと…
お母さんや、みんなと同じように感じられない自分に対するジレンマと淋しさを共感して! 


僕の本音なんて、だんだん聞きたくなくなるかもしれないけど、それが僕の本音。


お母さんも解っていたでしょう?僕がお母さんに望んでいることを素直に天使みたいに言い続ける訳がないって。 


僕はダウン症の天使じゃなくて、あのお兄ちゃんの弟で、このお母さんの息子だよ!


僕は、自分の人生に夢中になりたいけれど、周りの人たちの想いが、僕とあまりに違えば、僕の役割である僕の喜びの世界には引き入れることが出来ない。 


それならば、僕が、お母さんや周りの人たちと同じように、出来ないことを悩み、自分に自信のないように生きればいいんだろうか。 


まさか、自分がこんなに悩むと思わなかったよ。お母さんも、【僕問題】を一緒に悩んで!


【僕問題】は、やっぱり、お母さんが自分のためにしてあげることだよね。


僕は、お母さんが望むことをしてあげたよ。お母さんは、僕に今の生き方を否定して欲しいんだ!叱って欲しいんだ。


じゃないと、僕がこんなに悩むわけがないもの。




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メッセージを共有させていただき、ありがとうございました。


 椋木和美

  • 2014年01月31日 19:10 / Comment(0)

コメントありがとうございます

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